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ガザ美講評 「デッドリー・デート・イミテイト」

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10086406

今回紹介するのはゼロナイン作のガザ美ノベルス「デッドリー・デート・イミテイト」だ。

あらすじ

ガザ美の元に届いた封筒。ご近所への愛想など皆無な彼女に届いたのは・・・デートのお誘い?!しかもどこかで見たことある某テーマパークだ!もちろん甲殻怪人も出る!最後まで見逃すな!

 

登場人物

ガザ美:甲殻怪人から助けた女の子からデートに誘われる。無愛想ながらも瑞希を守ったり気遣ったりする優しさを見せる。

瑞希:ガザ美が甲殻怪人から運よく五体満足で救出した女の子。背はガザ美よりずいぶん小さいと地の文にあるので150程度と思われる。ガザ美との会話を見るにおそらくあまりコミュニケーションが得意な女の子ではないと思われる。重度のタラバーサルスタジオファン。その正体は・・・

博士:ガザ美を茶化したり服を買いにいかせたりする。ガザ美の社会経験不足を案じたりおせっかいをかいたり保護者らしい面を見せる

イセエビ、クルマエビ:後半に登場。クルマエビは黒いカンフースーツ。イセエビは深紅のジュー・ウェアを着込む。強力な新戦法でガザ美一行を追い詰める。

 

感想

2019年4月14日時点でのガザ美最高傑作である。これはヤギ氏の偏見だが。

ガザ美が博士への好意を瑞希からの好意を受けることで自覚する話。これはゼロナインのツイートでも触れられているが「目的を持った被造物がそれを自覚し誰かに与えられたものではないかと悩んだ上で己のアイデンティティとしてそれを定義して命令者とを切り離して人格を誕生させるのが尊い」という嗜好に則って執筆されている。とても美しい。

瑞希はガザ美に比べると直接の描写も設定の開示もあまりされていないため正確ではないが、代々テツジンの家系かつ寿司屋、それも女性となれば家庭からの重圧や周りとの差異は大きかったものと推測される。内向的な性格になってしまうのも無理はないだろう。そんな彼女にテツジンと同じく甲殻怪人と戦う存在であるガザ美の存在は鮮烈に写ったであろう事は想像に難くない。

ガザ美は彼女に特別好意があるわけでは無いが彼女の事は憎からず思っている描写はある。つまりはこうブロマンス的ななんかであり百合素晴らしい。特に何も考えずに書いているヤギ氏とは大違いである。

 

戦闘描写も相変わらずハイクオリティである。イセエビの生態と巫女設定を活かした巨大ウツボ召喚はインパクト抜群であり、それを迎撃する瑞希のワザマエも見事に描写されている。

タラバーサルスタジオはゼロナインのツイートが発端となってヤギ氏・フォロワーのガザ美クリエイターズの中で色々話された東京ガザミーランドが元ネタだろう。何故か劇中ではUSJっぽい名称になっているが。

立地に関しては漠然としている。ガザ美の棲む地域からは電車で数十分といったところらしい。玉せんのかにせんべいverやこういう感じのテーマパークに売ってる耳(蟹鋏)といったグッズが売ってたりトロッコが走ってたり特撮ショーがやってたりするらしい。ヤギ氏はUSJも舞浜鼠国も行ったことがあるがどちらに近いかは今回の話の描写では判別しかねた。

イセエビは正月の話で死んだような描写がなされていたが今回普通に生存してクルマエビと戦っている。やはりTV番組なのでプロレスの様に一応死なないレベルでレフェリーストップみたいなのがかかってるんだろうか。

そもそも彼らは何故タラバーサルスタジオなどにいたのだろうか。遊びに来てたのだろうか。イセエビはまだしもストイックそうなクルマエビとは無縁そうな場所であるが・・・

 

ガザ美の協力者でもあり友人である瑞希の登場という物語としても大きな変換点となる話。丁寧な心理描写が光るガザ美傑作エピソードである。読もう。