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ガザ美講評 「ベント・ウェスト・セント・トゥ・ヘブン」

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9083022

今回紹介するのは著者ゼロナインのガザ美ノベル二弾目「ベント・ウェスト・セント・トゥ・ヘブン」だ。

 

あらすじ

2018年新春!一年の初め突っ走る一番槍の料理!おせち!その海老にふさわしい海老はクルマエビ!イセエビ!どちらなのか!その決着はヒトの手ではなく甲殻類同士の激しい戦いで決められる!バトルスタート!

 

登場人物

クルマエビ:ゼロナイン作品御馴染み。前作で見せた砂中潜航や武器も駆使してイセエビと戦う。晴れ着は赤いカンフースーツ

イセエビ:初登場。女性。醤油顔らしい。デュアル・アンテナ・カタナや海老らしからぬ強固な外殻とパワーがウリ。晴れ着はストイックなクルマエビのものとは異なりアルティメット・オセチの刺繍が入った赤い振袖(下に戦闘着である巫女服)

ガザ美:空気。最後にチラっと登場。もちばっか食っている。

博士:空気2。クルマエビとイセエビの戦闘に呆れる。

 

感想

戦闘描写に定評のあるゼロナインが送り出したガザ美ノベルス2弾は戦闘描写のみで構成された肉だくの牛丼みたいな作品。

お正月特別編であり、実際新年の1月4日に投稿されている。

イセエビもクルマエビも日本語では海老と一まとめだが英語だとロブスターとシュリンプと明確に区別される。おせちで御馴染みの両者の戦闘スタイルの違いを生態を織り込んで書き上げられているのは評価に値する。

クルマエビは砂泥底の海に生息し砂中に潜って過ごしているがイセエビは岩礁の岩の隙間に棲み、長く鋭い触角で敵を追い払う。実際にヤギ氏もイセエビ触ろうとしたら触角でガードされたからわかる。

他にも注目する点がある。それはこの戦いがTV番組であることである。ラストに博士とガザ美がTVを見ながらオーゾニをかっ食らう所で物語は終わる。

これはどういうことか?ゼロナイン・ワールドではヤギ氏・ワールドと異なり甲殻怪人は人間の生活の中に適応し、完全に受け入れられている事を示している。「ビギニング・ブルークラブ」では甲殻怪人は都市伝説や変質者に近い扱いを受けていたのとは対照的だ。

ただこのTV番組は博士に呆れられているため恐らくは甲殻怪人が戦うTV番組というのはマイナーなものなのだろう。

博士の態度も甲殻怪人がTVに出ているのに割りと淡泊であり、この辺にもゼロナイン・ワールドの博士がそこまで甲殻怪人に憎しみをもっていないということがわかる。

この辺の解釈は後の「デッドリー・デート・イミテイト」などでも見受けられる。

 

ちなみにヤギ氏の家のおせちでは海老なんて一回も出てきたことがないのでヤギ氏はどっちがいいかはわかりません。

見た目のインパクトはイセエビが勝るだろうけど実際コストとかの問題でクルマエビの方が楽そうで沢山食べられそうな気がする。