ガザ美・ネスト

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新企画「やぎごはん」

 この企画はなんだという読者の方々。これは施川ユウキ作の漫画作品「鬱ごはん」からインスピレーション・・・もといパクって産まれた企画である。創作者としての矜持は無いのかと言われればそれまでだが私、ヤギ氏の持論としては

「食事をしない人間はいないので食に関する話題は万民に共通した話題であるので切り出しやすい」

というものがある。

私は会話に詰まったり初対面の人とは多くの場合好きな食べ物の話をする。

好きなゲーム?ゲームをしない人間もいるだろう。

趣味?釣りとプラモでは話が合わない。

交友関係?友達がいない人間もいるだろう。

だが食事をしない人間はいない。動物であるからには何かしら食べて生きている。だから話が出来る。当たり障りの無い話が。

 

 

 皆さんは何を食べるか迷ったことはないだろうか?私はよく迷ってしまう。

買い物の帰りなどで街に繰り出すと色々な食事場がある。ラーメン、イタリアン、ハンバーガー、海鮮丼、コンビニ飯、蕎麦、中華・・・様々だ。これらを全て食べたい。

しかし胃は一つ。1日で食べれるのは1種類だけだ。歯痒い。とても歯痒い。

実際には何か食べ始めてしまえばそんな悩みは吹っ飛ぶ。だがそれまでが苦痛だ。

寝る時もそうだ。意識が無くなるまでは苦痛だが意識が無くなってしまえば朝はすぐに来る。

オナニーする時もそうだ。ズリネタを探し、決めるのには時間がかかるが射精してしまえばもう後の夢だ。人間の三大欲求は食欲、性欲、睡眠欲とはよく言われるが確かにその通りかもしれない。

 

 

 あの日も私は迷っていた。

新発売のプラモを買えず悶々としながら食事を品定めしていた。ハンバーガー、それもマックではない1000円ぐらいの高い奴を食べたかったが余り無駄遣いしたくなく頭の片隅に追いやっていた。街を練り歩き店先のメニューとにらめっこだ。

あれはイタリアンの店の前だった。いつも通るが値段が高く一度も食べたことのない店だ。ワタリガニのパスタでも安く食べれないかと思ってメニューを見たが無論そんな都合のいいものは無く後ろへと振り向いたその時であった。

そこにいたのはしばらく会っていなかった私の元友人らしき男とその彼女らしき女であった。何故「元」なのか?その話は長くなるので別の機会に話そう。 

彼の顔はよく覚えている。中学、高校と飽きる程見ていたからだ。だが今回言葉を交わしたわけではなかった。本当にニアミスしただけだ。時間にすれば10秒も無いだろう。私は彼のSNSに連絡をしようと思ったが考えた。そんな事をして何になる?凄まじい劣等感を感じた私は値段が理由で候補から外しかけたハンバーガー屋にまっすぐ向かった。機嫌の悪くなった時に食事をケチるのは更に劣等感を刺激するだけだと知っていたからだ。そのハンバーガー屋でチーズバーガーセットを注文してかぶりついた。美味しかった。スパイス付きフライドポテトも味が濃くて最高だった。プラモは結局欲しい物を全ては変えなかった。